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里実文庫について

21世紀の最初の年、2001年から里実文庫(Ⅰ期)はスタートしました。その頃はまだ、ディスプレイ上で長い文章を読むことはあまり普及していませんでした。長い間私たちは、紙で作られた書物という形で、文章を読むことに慣れ親しんで来たのですから、ウェブ上に、多くの優れた文学者たちの作品が電子ファイルとして蓄積されてきても、いざその作品を読もうとする段になると、本を読むのと同じように読みたいと思ってしまいます。

そこでディスプレイ上で読みやすくするためのソフトが開発され、市販されるようになりました。それらのソフトでは、一般的にテキストを縦組みで表示したり、文字の大きさを変えたり、行間を変えたりといったふうに、自分の好みの文書スタイルに変えて、ディスプレイ上で読むことが出来ます。本と同じように1ページ1ページずつめくりながら読むことも出来ます。モニター上で、本を読むのと同じように読むことができるという点で、すばらしい仕組みではあります。

ただ、それらのソフトの多くは、まずそれをダウンロードして、さらに解凍して、インストールしなければなりません。解凍するためには、そのための解凍ソフトをダウンロードしなければなりません。この作業が、パソコンを使い慣れていない人にとっては、厚い壁になるようです。

ウェブぺージには、書物とは違った形式面での違いがあります。たとえばページという概念は、書物とウェブページとでは大きく異なっています。書籍ではページの形式は固定されていて、ページごとにそれが変化することはありません。たとえば一ページが40字×16行であれば、それは原則的にはほとんどのページに反映されます。ところがウェブページでは、一ページの形式が一定である必要はなく、また一ページの字数はコンピューターのハードウェアの規模に制限されるだけで、理屈の上では際限なく多くすることができます。極端なことを言えば、ある作家の全集を一ページに収めることも可能です。

また書物は、印字された字そのものを、拡大鏡などの道具なくして大きくして読むことはできません。しかしウェブページは、コンピュータの設定を少し変えてあげるだけで、簡単にそれができてしまいます。

このような違いがあるのですから、書物と同じ方法で読もうとすることは、ウェブページの特性を無視して、無理矢理書物の形式に合わせようとしていることになります。そのような力任せな方法を全く否定するのではないのですが、まずはウェブページの特質を生かした読み方を工夫することが大切なのです。書物と同じ方法でウェブ上の文章を読もうとすることは、結局はコンピュータの長所を殺すことにつながってしまいます。ウェブページの特質を生かした読み方を工夫し、読者が安価で簡単な方法で利用できる方向を探ることが大切なのです。

里実文庫は、以上のような考え方に基づいて、テキストが簡便な方法で読めること、できるだけ読みやすい形で提供することを目指して出発しました。出発当初は、ディスプレイで作品を読むこと、横組みで文学作品を読むことに抵抗を感じる人も多かったと思います。しかしその後ほぼ10年近くの歳月が流れ、ディスプレイ上で長い文章を読むことに対する抵抗感も薄れてきました。このような流れを受けて、Ⅱ期目の里実文庫でも、ディスプレイ上で読むという形を前提として、電子テキストの作成・提供を行っていきたいと思っています。


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